伊勢神宮の参拝完全ガイド|知っておきたい基礎知識とおすすめルート

「日本人のこころのふるさと」と呼ばれる伊勢神宮。
このページをご覧いただいているということは、伊勢旅行をご検討中か、あるいはすでに伊勢を訪れている方かもしれません。

もちろん、予備知識がなくても、伊勢神宮では五感を通して神聖な雰囲気を十分に味わうことができます。
ですが、少し事前に知っておくことで、参拝の流れや見どころをより深く理解でき、訪問がさらに特別な体験になるはずです。

この記事では、地元の目線から伊勢神宮の基礎知識とおすすめ参拝ルートを紹介します。
「伊勢神宮に行くのは初めてで不安…」という方でも、この記事を読めば安心して参拝できるはずです。

目次

伊勢神宮とは?「日本人のこころのふるさと」

神宮の正式名称と全体構成

伊勢神宮は「お伊勢さん」と親しまれていますが、正式名称は「神宮」です。
実は一つの神社ではなく、125の宮社の集合体です。

  • 内宮(ないくう)
  • 外宮(げくう)
  • 別宮 14所
  • 摂社 43所
  • 末社 24所
  • 所管社 42所

内宮と外宮の違い

伊勢神宮の参拝で多くの方が訪れるのが、内宮(ないくう)と外宮(げくう)です。
違いを下表にまとめました。

内宮(皇大神宮)外宮(豊受大神宮)
鎮座の歴史約2000年前約1500年前
御祭神天照大御神
(あまてらすおおみかみ)
豊受大御神
(とようけのおおみかみ)
・太陽の神
・皇室の御祖先
・日本人の総氏神
・御神体は「八咫鏡」
・天照大御神のお食事を司る
・衣食住をはじめとする
 すべての産業の守り神

天照大御神は全国約8万の神社の総氏神。皇室の祖神でもあり、日本で最も尊い神とされています。
そのため伊勢神宮は皇室にとっても、日本人にとっても特別な存在なのです。

「外宮から参拝した方が正式なの?」という質問をよくいただきます。
確かに祭事は”外宮先祭”の考え方がありますが、観光の場合は、そこまで意識しなくてよいです。

なぜ伊勢に神宮があるの?

元々、天照大御神は皇居内に祀られていました。
しかし、当時の垂仁天皇の命を受け、皇女の倭姫命(やまとひめのみこと)が、鎮座の場所を探す旅に出ます。

倭姫命は奈良、滋賀、岐阜などを巡行し、伊勢の地にたどり着いた時、天照大御神から次のお告げを受けます。

『この神風の伊勢の国は常世の浪の重浪帰する国なり。傍国の可怜国なり。この国に居らむと欲ふ。』

伊勢の国に居たいという意味ですね。

こうして天照大御神は伊勢に祀られることとなり、その後、その食事を司る豊受大御神も外宮に鎮座されました。

伊勢神宮(内宮) おすすめ参拝ルート

内宮の参拝ルートは広大ですが、初めての方でも迷わないようにおすすめルートを紹介します。

① 宇治橋
② 火除橋と手水舎
③ 御裳濯川
④ 瀧祭神
⑤ 風日祈宮
⑥ ご正宮手前で撮影
⑦ ご正宮
⑧ 荒祭宮
⑨ 神楽殿

それぞれの見どころを簡単に解説します。

宇治橋

おはらい町通りを抜けると見えてくる大鳥居と宇治橋。
最初の撮影スポットでもあり、帰りには太陽の光の加減が変わっていることも多いので、行きに写真を撮るのがおすすめです。

鳥居をくぐる時は一礼をし、橋の中央は神様の通り道なので、右側を歩きましょう。

「宇治橋を渡った後に左へ移動すると、橋を真正面から撮れるスポットがあります。観光客は右に流れるので、穴場ですよ。」

火除橋と手水舎(ちょうずや)

歩いていくと「火除橋」という小さな橋があります。名前のとおり神宮を火災から守るための橋です。

神域に入るとトイレはありませんので、必要ならここで立ち寄りを。

火除橋の手前まで、江戸時代は民家があったんです。宇治橋を超えると神域と思いがちですが、ここからが本当の神域です。

右手には手水舎があります。正しい作法で身を清めましょう。

【手水の作法】

 ①右手で柄杓を持ち、左手を清める

 ②柄杓を左手に持ち替えて、右手を清める

 ③再び柄杓を右手で持ち、左手で水を受け、口をすすぐ

 ④改めて左手を清める

 ⑤残った水で柄杓の柄を洗い清め、元に戻す。

伊勢神宮の公式HPでは、動画付きで解説されていますので、作法を完璧にしたい方は是非ご参照ください。

御手洗(みたらし)

大和姫命が御裳(みも)のすそのよごれを濯(すす)がれたことから、御裳濯川(みもすそがわ)とも呼ばれています。

伊勢神宮は広大な森や山を守り育てています。そこから流れ出す水は、豊かな養分を含んで伊勢湾へと流れ込みます。その恵みが豊かな海を育み、伊勢志摩ならではの海女文化へとつながっています。

神宮が管理する土地は約5,500ヘクタール(東京都世田谷区に相当)。
伊勢市全体の面積の4分の1を占めます。

瀧祭神

五十鈴川の守り神で、「おとりつぎさん」として親しまれています。
ここで心の中で「天照大御神に取り次いでいただく」ように祈りましょう。

風日祈宮(かざひのみのみや)

風を司る神を祀る別宮。神明造を間近で見られるほか、式年遷宮で使用される「古殿地」もあります。

ここは人が少なく、静けさを感じられるおすすめスポット。時間がない方は飛ばすことも多いですが、個人的には必ず立ち寄ってほしい場所です。

ご正宮手前の階段下

ここが撮影スポットです。ただしカメラマンは階段を登らないように。被写体は階段を登ってもOK。

カメラを持って階段に上がろうとして、注意されている場面をよく見ます。撮影は必ず階段の下からにしましょう。

ご正宮

日本で最も尊い神様・天照大御神の和魂(にぎみたま)がお祀りされています。
ここではお願い事ではなく、「感謝の心」を伝えることが大切です。

「二拝二拍手一拝」で感謝をお伝えしましょう。

正装の方が、より近いところで参拝されているの見ることがあります。これは、御垣内(みかきうち)参拝という特別な参拝です。方法は別の記事でお伝えしたいと思います。

荒祭宮

別宮の中で最も位が高い宮です。天照大御神の荒魂(あらみたま)をお祀りしています。

個人的なお願いごとはここでしましょう。

荒祭宮へのルートは、上り坂や階段があります。ベビーカーや車いすの方、時間がないけどお願いしたい方は、「遥拝所」という遠くからお参りできる場所があります。

神楽殿

お札やお守りを授かることができます。写真撮影は禁止です。
帰り道では神馬やにわとりに出会えることもあります。

まとめ

以上が、伊勢神宮を訪れる際に知っておきたい基礎知識と内宮のおすすめ参拝ルートです。

  • 祭事は外宮先祭だが、参拝は内宮のみでもOK
  • ご正宮では「感謝」を、荒祭宮で「お願い事」を
  • 写真撮影はルールを守って楽しむ

この記事を参考にすれば、初めての方でも安心して伊勢神宮参拝を楽しめるはずです。

伊勢神宮は何度行っても新しい発見があります。この記事を参考に、
ぜひあなただけの特別な旅にしてください。

次の記事では、おかげ横丁・おはらい町のグルメ情報をご紹介します。
ぜひあわせてチェックしてみてください!

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この記事を書いた人

伊勢とのゆかり15年以上(伊勢の高校出身、伊勢市役所の元職員、伊勢市在住10年目)

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